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AI導入の効果は「減った時間」で数える

約4分

AIを入れてしばらく経つのに、効果があったのかよく分からない——このご相談は珍しくありません。うまくいっていない、という意味ではないのです。測る物差しを決めないまま入れたので、答えようがなくなっている。それだけのことが多い。

物差しは、ひとつで足ります。どの作業の時間が、どれだけ減ったか。

数えるのは、回数ではなく時間

AIを何回使ったか、道具をいくつ入れたか、は効果ではありません。使った回数が多くても、仕事が楽になっていなければ意味がないからです。

数え方は素朴でかまいません。代表的な作業を三つ選んで、前と後の時間を比べます。月末の請求書づくりに二日かかっていたのが半日になった。問い合わせの返事が一通十五分だったのが五分になって、それが月に八十通ある。議事録を清書する一時間が、確認の十分になった——こういう数え方です。

金額にしたければ、時間にその人の時給を掛ければ十分です。厳密にやろうとするほど測ること自体が仕事になるので、三つの作業だけ、ざっくりで構いません。

減った時間は、放っておくと消える

ここからが本題です。時間は減っているのに効果を感じない、ということが実際に起きます。理由ははっきりしていて、浮いた時間の行き先を決めていないと、細かい雑務に吸われて、誰の記憶にも残らないからです。

「効果が分からない」の正体は、たいていこれです。減ってはいる。使い道が決まっていないだけ。

これは私たちの実感ですが、大きな調査でも同じことが示されています。デロイトが六カ国の経営層・技術責任者1,982人に行った調査(The State of Generative AI in the Enterprise: Now decides next、2024年)では、AIで生まれた余力の使い道を、45%が新しい事業や商品づくりへの再投資、43%が仕事のやり方の改善に充てる計画だと答えています。成果を出している組織は、時間を減らすことではなく、減った時間を何に振り向けるかまでを計画に入れているわけです。

入れる前に「浮いたらこれをやる」を一行書く

だから、順番はこうなります。道具を選ぶ前に、浮いた時間の使い道を先に決める。

使い道は会社によって違います。お客への連絡をいままでの倍にする。後回しにしてきた新しい商品の準備にあてる。社長が現場に入っていた時間を、営業に回す。ずっと手をつけられなかった値付けの見直しをやる——どれでも構いません。一行でいいので、導入を決めるときに書いておいてください。

この一行があると、あとの判断が全部楽になります。どの作業をAIに任せるかも、「浮いた時間をあれに使えるか」で選べるようになるからです。

ひと月後に見るのは、二つだけ

入れてひと月経ったら、見るのは二つだけです。

ひとつ、選んだ三つの作業の時間は減ったか。ふたつ、浮いた時間で「あの一行」は実行されたか。

前者だけ見て後者を見ないと、冒頭の「効果が分からない」に戻ります。後者まで確かめて、はじめて導入は終わりです。

私たちがお手伝いするときも、最初にやるのはこの設計です。何の時間を減らすか、減った時間を何に使うか。この二つが決まっていれば、道具選びはそれほど難しくありません。

ご相談は初回無料です。何から手をつけるか決まっていない段階でもかまいません。

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